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過払い金返還請求

利息制限法においては、第1条第1項において「金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が左の利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分につき無効とする」として、元本が10万円未満の場合には年2割、元本が10万円以上100万円未満の場合には年1割8分、元本が100万円以上の場合には年1割5分と定めている。かつて、出資法においてこの利息制限法以上の金利が設定されており、貸金業の規制等に関する法律において利息制限法を超える部分は「みなし弁済」とされていた。

しかし、最高裁第二小法廷判決平成16年(受)第1518号貸金請求事件(2006年1月13日)において、利息制限法以上の利息の支払について、「期限の利益喪失条項」など事実上の強制がなされた場合にはみなし弁済の要件を満たさないとされ、さらに同年1月19日に最高裁第一小法廷、1月24日最高裁第三小法廷において同様の判決があり、これら一連の判決によりみなし弁済の成立は困難となった。こうして、利息制限法を超える利息は「不当利得」となり、債務者および完済者の一部は債権者に対して過払い金返還請求を行うことが可能となったのである。

過払い金返還請求は、請求する側が返還金の額などを明確にしなければならない。したがって過払い金返還請求にあたっては、債務者が保管している金銭消費貸借契約書や領収書などに基づき、利息制限法所定の制限利率で引き直し、元利計算を行い、払いすぎた分を元本の返済に充て、さらに元本への充当後に残余(過払い金)が生じれば返還請求を行うことができる。債務者の手元に資料がない場合でも、債権者に対して取引経過などの情報開示を求めることができる。過払い金返還請求は、民法上の不当利益返還請求に当たるものであり、かつ前記のように最高裁の判例に基づいて行われるものである。

すなわち債務者に対して与えられた法律上の権限であり、後述するようにレ消費者金融市場の健全化を促すために導入された比較的新しい債務整理手法である。そのメリットは、債務者に当然の権利として付与されることによりスムーズに過払い金が返還され、債務者の生活再建のための原資となることにある。一方、過払い金返還請求は民法上の不当利益返還請求であるため、10年で時効となるため、永続的に使える債務整理の手段ではないとのデメリットも存在する。