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無利子借入れ

債務整理とは前述のとおり、「現在抱えている債務あるいは返済負担を債務返済能力の範囲に軽減するもの。債務者が現在抱えている問題を解決し、本人が受入可能な状態にして、冷静さを取り戻し、その後の生活改善の基礎を築くために必要なもの」とされている。つまり、現在の借金を本人が返済できる形に変えて、家計の危機を回避する手段であり、家計管理がうまくいかなかったために生じた債務問題に対して治療を行う、というものである。「無利子借入れ」とは、「親・親戚」から借り入れる方法をいう。

ここにおいて「友人・知人」からの借入れも含まれる場合もあろうが、一般的に友人・知人からめ借入れは少額な場合に限られ、また個人的な付合いが深い場合に限られる。親・親戚の場合には、個人と個人とのつながりが深いゆえに、無利子あるいは低利での借入れが可能であり、高率の利息の支払を回避することができ、また多重多額債務の場合には債務を一本化できるというメリットがある。この方法は、多重多額債務者はすでに近親者から借入れを行っているため不可能ではないか、という疑問も当然のように生じるであろう。

しかし、すべての債務者が近親者からの借入れを行っているというわけではない。むしろ近親者に知られることを恐れ、黙っている場合が意外と多い。このような「内緒型」と呼ばれる債務者の場合、家族に知られるこどにより離婚・勘当・暴力を受ける可能性から、相談相手がなく、整理屋等に馴されてしまうケースもある。したがって、可能であるならば近親者に相談して債務返済資金を近親者から借り入れることにより、現在債務返済に対する恐怖心を和らげる可能性を追求するというのがこの無利子借入れであり、その意義は決して小さくない。

ただし、近親者からの借入れの場合、身近であるがゆえにその後の返済が滞る可能性が高い。また借入れをお願いする際に、「ただ黙ってお説教を聞いていれば貸してもらえる」という「わずかな時間だけの辛抱」でその後の生活を改めないようでは、リピーターになる可能性が非常に高いといえる。そのため、近親者からの借入れの場合であっても、第三者(できればクレジットカウンセラー)の指導のもと、生活再建計画等に基づいた確たる次のステップが明示されていなければならない。